まずは、資産要件を満たす

有料職業紹介事業の許可を取得するためには、「資産要件」というものを満たさなければなりません。資産要件とは、その会社が有料職業紹介の許可を取得して適正に業務を行うのに相応の体力がある会社なのかを見るための要件になります。
具体的には、まずは、直近の決算書の中の貸借対照表を用意してください。
そして貸借対照表の資産の総額から負債の総額を控除した額が500万円以上になっているかどうかを確認してください。
下記の貸借対照表のサンプルで言うと①から②を引いた額が500万円以上になっている必要があります。下記の例ではぎりぎり500万円になっています。
次に資産の部の現預金の欄を確認し、ここが150万円以上になっているかどうかを確認します。
下記のサンプルでは③の額が150万円以上かを確認します。下記では380万円なので要件を満たすことになります。


よくご質問で、現在、会社の通帳に500万円以上入っているが残高証明等でもOKかと聴かれますが、例え現在、口座に500万円があってもダメです。あくまで、直近の決算書で要件を満たしているかどうかを見ます。
あと、設立したばかりで、まだ一度も決算を終えていない場合は、設立時の貸借対照表で判断しますので、基本的に資本金500万円で全額現金出資であれば、それで資産要件は満たすことになります。

職業紹介責任者の準備

有料職業紹介事業の許可を取得するためには、1名以上の職業紹介責任者を準備しなければなりません。職業紹介責任者は、その会社に常勤の方である必要があります。
代表取締役が職業紹介責任者を兼務しても構いませんし、新たに労働者を雇い入れて、その方を専任の職業紹介責任者にしても構いません。ただし、以下の3つを満たす必要があります。
①欠格事由に該当していないこと
②職業紹介責任者講習を受講していること(5年以内)
③成年に達した後、3年以上の職業経験を有する者であること(要するに20歳以降で普通に働いた経験が3年以上あるかどうか)
このほかにも、住所が一定しているなど細かい規定はありますが、大きなものは上記3つです。

事業所(事務所)の要件

有料職業紹介事業を行うためには、事業所(事務所)を用意しなければなりません。どんな事務所でもよいわけではなく、以下の要件を満たしている必要があります。
①原則として20㎡以上の広さを確保してください(現在は必ずしも20㎡無くても認められます。詳しくは「紹介業を行う事務所の要件」参照)。
②一般的な有料職業紹介事業の場合、求職者又は求人者が事務所に面接等に来る場合が多いと思いますが、その場合、面談用の個室、又はパーテーション等で区切った空間が必要になります(プライバシーを保護するため)。事務所内に面談スペースはないが、例えば、同じビルの別の部屋が貸会議室等になっていて、そこが確保できる状態であればそれでも構いません。
③例えば性風俗店などが密集しているような場所では事務所を設置できません(ケースバイケースになります。不安な方は一度ご相談ください)。
そのほか、事務所に関して要件というか注意点ですが、マンションやアパート等の一室でも構いませんが、借主は会社名義で行ってください。また、その賃貸契約書の使用目的欄は必ず「事務所」にしてください。使用目的が「住居」の場合は認められません。個人が所有するマンション等でもOKですが、個人と会社との間で賃貸借契約を締結する必要があります。