有料職業紹介事業の新規許可を取得するには、財産的基礎(資産要件)、職業紹介責任者、事業所、個人情報の管理体制など、複数の要件を満たす必要があります。このページでは、愛知県で申請する際に確認したい主なポイントを解説します。
1事業所で申請する場合の主な数値基準
基準資産額:500万円以上 / 自己名義の現金・預貯金:150万円以上
※両方の要件を満たす必要があります。事業所数が増える場合は基準額も変わります。
1.財産的基礎(資産要件)
法人の場合、原則として直近の事業年度の貸借対照表などをもとに、以下の2つの基準を確認します。
基準資産額が500万円以上あること
基準資産額=資産総額-繰延資産-営業権(のれん)-負債総額
1事業所なら500万円以上、2事業所なら1,000万円以上が必要です。単純な「資産総額-負債総額」だけでは判断できず、繰延資産や営業権を除いて確認します。
現金・預貯金が150万円以上あること
1事業所の場合、申請者名義の現金・預貯金が150万円以上必要です。基準資産額とは別に確認する要件ですが、両方の金額を単純に足して650万円が必要という意味ではありません。
| 申請する事業所数 | 基準資産額 | 自己名義の現金・預貯金 |
|---|---|---|
| 1事業所 | 500万円以上 | 150万円以上 |
| 2事業所 | 1,000万円以上 | 210万円以上 |
| 3事業所 | 1,500万円以上 | 270万円以上 |
計算式:基準資産額≧500万円×事業所数/現金・預貯金≧150万円+60万円×(事業所数-1)
決算書で満たしていない場合・設立直後の場合
直近の決算書で要件を満たしていない場合でも、公認会計士または監査法人の監査証明を受けた中間・月次決算書によって審査を受けられる取扱いがあります。単に申請直前の銀行残高が増えたことだけで、必ず要件を満たせるわけではありません。
設立後最初の決算期を終えていない法人については、設立時の貸借対照表等で判断します。資本金が500万円というだけで、他の許可要件まで満たせるわけではありません。
2.職業紹介責任者の要件
職業紹介事業を適正に運営するため、事業所ごとに必要な職業紹介責任者を選任します。人数・配置状況なども確認が必要です。
- 成年に達した後、3年以上の職業経験を有していること。
- 許可申請の受理日前5年以内に職業紹介責任者講習を修了していること。
- 欠格事由に該当しないこと、適切な選任・配置が行われていること。
代表者や役員が職業紹介責任者を兼ねる場合もありますが、就業実態や兼務状況によって確認が必要です。職業紹介責任者の詳しい解説も参考にしてください。
3.事業所(事務所)の要件
事業所には、位置・設備・構造などに関する基準があります。特に重要なのが、求職者・求人者のプライバシーを守り、適切に職業紹介を行えることです。
- 個室の設置やパーティション等による区分など、プライバシーを保護して求人者・求職者に対応できる構造を備えること。
- 個室等の構造に代えて、予約制や近隣の貸室の確保等により他の求人者・求職者と同室にならずに面談する方法、または専らインターネットを利用して対面を伴わずに職業紹介を行う方法も認められています。これらの方法では許可条件が付される場合があります。
- 事業所を使用する権限を、賃貸借契約書などで説明できること。契約上の使用目的にも注意が必要です。
- 求職者等の個人情報を安全に保管・廃棄できる設備や管理体制が整っていること。
事務所に一律の最低面積要件はありません。 現行の許可基準では、事務所の広さだけでなく、求職者・求人者のプライバシーを保護できる構造や運営方法が重視されます。個室・パーティション等のほか、予約制による面談や対面を伴わない職業紹介などの方法もあります。実際のレイアウトと運営方法を申請前に確認することが大切です。
関連解説:事務所の要件 その1/その2/その3
4.個人情報の保護・業務運営体制
有料職業紹介事業では、求職者の職歴、連絡先などの個人情報を扱います。申請書類だけでなく、実際の運営に適した体制を整える必要があります。
- 個人情報適正管理規程を整備し、取り扱う職員の範囲・情報の管理・苦情処理などを明確にする。
- 業務の運営に関する規程を用意し、適正な職業紹介の手順を定める。
- 手数料表を作成し、法令に基づいた手数料を扱う。
- 求人者・求職者の個人情報を、業務上必要な範囲で適正に利用・保管する。
5.欠格事由・取扱業務に関する要件
申請者・役員・職業紹介責任者などの欠格事由、取扱職業の範囲、国外にわたる紹介を行うかなども確認対象です。建設業務など、職業紹介が制限される業務もあります。
国外にわたる職業紹介を予定している場合には、相手先国の法令や取次機関に関する追加書類が必要になることがあります。海外在住外国人の紹介に関する解説をご覧ください。
申請前に確認しておきたい主な書類
法人の新規許可申請では、状況に応じて以下のような書類を確認します。愛知労働局の最新の提出書類一覧に従い、必要なものを整理します。
- 定款・登記事項証明書
- 代表者・役員・職業紹介責任者の住民票、履歴書など
- 職業紹介責任者講習の受講証明書
- 直近の貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書など
- 事業所の賃貸借契約書等・レイアウト図
- 業務の運営に関する規程・個人情報適正管理規程・手数料表
※法人・個人、既存事業の有無、事業所数、国外紹介の有無などで、必要書類が変わります。
よくあるご質問
口座に500万円あれば資産要件は満たせますか?
預金残高だけでは判断できません。基準資産額と現金・預貯金の2つの基準を満たす必要があり、原則として決算書類などで確認します。
設立して間もない会社でも許可を取得できますか?
設立後最初の決算期を終えていない法人は、設立時の貸借対照表等で財産的基礎を判断する取扱いがあります。職業紹介責任者・事務所等の要件は別途必要です。
小さな事務所でも許可申請できますか?
申請できます。現在は一律の最低面積要件ではなく、求職者・求人者のプライバシーを守るための構造・設備や運営方法が重視されます。予約制や貸室の確保、対面を伴わない運営なども選択肢ですが、具体的な方法や付される許可条件を申請前に確認する必要があります。
愛知県内の許可申請をご相談ください
「自社が要件を満たしているか」「どこから準備すればよいか」といった段階でもご相談いただけます。無料面談で、申請までに必要な準備を確認します。
新規許可申請の代行費用はサービス・料金案内をご覧ください。お電話:052-229-1900
※本ページは関係法令および行政資料に基づいて作成しています。個別の許可要件や必要書類については、初回無料面談でご案内します。
最終確認:2026年10月29日。具体的な可否は申請内容・行政庁の審査によります。