有料職業紹介を日本国内で行う場合、通常は、日本に在住する日本人又は外国人を対象とします。日本人しか紹介できないというわけではなく、すでに日本に在住していて、就労できる在留資格を持っている場合は、外国人であっても職業紹介の対象として構いません。
ただ、最近の流れとして、特定技能の在留資格が新たに導入されたことに伴い、紹介する時点では、まだ、外国に在住していて、紹介後、採用が決まってからビザを取得し、来日するというケースが少しづつ増えてきています。
上記のような紹介形態をとる場合は、注意が必要です。通常の手続きで許可を取得した場合、外国在住者を紹介するための届出は行っていないので、そのままでは、海外在住の外国人を紹介することはできません。
海外在住者を紹介する場合は、以下の書類を新たに届け出なければなりません(新規で許可を取得する場合も以下の書類を他の書類と共に準備します)。
・職業紹介事業取扱い職種範囲等届出書(様式第6号)
・取次機関に関する申告書(様式第10号)
・取次機関及び事業者の業務分担について記載した契約書
・相手先国において、当該取次機関の活動が認められていることを証する書類(許可証の写し等)及びその日本語訳
・相手先国の関係法令及び日本語訳
原則として上記の書類が必要となります。提出する必要はありませんが、許可後の場合は業務運営規程の変更も必要になります。
海外の取次機関は、相手先国の職業紹介事業者と考えて頂くと分かりやすいと思います。自社の海外法人を取次機関としても構いませんし、それが、海外の日本語学校というケースもあります。どちらにしても、その取次機関が、現地の法律に基づく職業紹介業の許可を得ている必要があります。ただし、国によっては、職業紹介業を法制化していない国もありますので、その場合は、その国の法律に精通している日本の弁護士等にそういった法律が無い旨の証明を出してもらうことで紹介が可能になります。
上記のような一部の法制化されていない国を除き、基本的には必ず取次機関を通して出ないと紹介はできませんので注意してください。仮に、海外在住者が海外から直接、(例えば日本語のホームページなどを直接見て)求職を依頼してきたとしても、現状では、その国の取次機関を通さなければ紹介できませんので注意してください。
なんのツテも無い状態で、海外の取次機関を探すのはなかなか難しいように思います。大手人材サービス会社と提携関係を結んだり、対象としたい相手国の経済や法律に詳しいコンサルティング会社等と提携したり、すでに雇用している外国人から取次機関を紹介してもらうというケースが多いようです。